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小学館
グループ:Book
ランキング:740
価格:¥ 660
発売日:2008-02-20
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古き良き、王道回帰
(2008-11-15)
半分ほど読み終えた翌日、続きが気になって仕方がないのにも関わらず、
初めから読み返してる自分がいました。
・・・我ながらアホなことしてると思います。時間の無駄遣い以外の
何物でもありません。
だけど、読み返さずにはいられなかった。
流民上がりの飛空士シャルルと次期皇子妃ファナ、本来交わる筈のない
二人の旅路を、少しでも長く見守りたかったから。
目的地までの一万二千キロ。
途方もなく長い筈の距離があまりに短く儚く感じた。
二人の心が近付く毎に、身分が、出自が重くのしかかり、掴める筈の手が掴めない。
そんな様が切なくて、もどかしかった。
帯には物語の新次元とありましたが、個人的にこの作品は
ど直球のストレート、
古き良き王道への回帰だと感じました。
ベタといえばベタですし、人によってはプロットに捻りが足りない、
ティーンエイジャーの方からすれば華が足りないと思うかもしれません。
しかし、そういったものを極力排し、確かな筆力とセンスを以て紡がれた
適度に濃密な文章は、一読者である自分に深く真っ直ぐに、強く感情移入させてくれたのです。
・・・まあなんのかんの言ってみましたが。
現在20代半ば、幼少の頃、初期スタジオジブリ作品に深い感銘を受けて
育った自分としては、こういう一級品のボーイミーツガール冒険譚の登場が
たまらなく嬉しいわけですよ・・・!!
自分の様なやや回顧的アニメファンや、軽めの文章にちょっと飽きてきて、
ワンランク上の小説に挑戦したいラノベファン、
またはラノベを甘くみてる、ちょっと頭の固い純文学好きの方等に
特におすすめできる名作といえるでしょう!!
そしてこのレビューを書いた直後、ラスト1ページのあの感動を求め
再読を開始する自分がいるのでした。
新次元ではなく古典のような傑作
(2008-11-10)
オビは「物語の新次元がここにある!!!」とかアオってますが、これは虚偽広告でしょう。本作品は「古典的な」「王道の」「ノスタルジックな」『傑作』です。
「古典的な」というのはテーマがズバリそのまんま身分違いの恋、だからです。このジャンルがいかに古くて良い意味で「枯れている」かは今更説明不要だと思います。本作品は身分違いの恋という枯れたテーマの押さえるべき要素を完璧に押さえた話の展開になっています。
「王道の」というのは「恋と空戦の物語」という謳い文句の通り、恋愛要素とバトル要素を適切な配分でブレンドしてあるからです。
「ノスタルジックな」というのは、昔の話、だけども古代や神話の時代の如く離れすぎてもいな時代が舞台で、なおかつ現代日本からは失われたものを感じ取れる世界だからです。作品中の技術水準は基本的にレシプロ単葉機が戦場の空を支配する第二次世界大戦レベルで、敵国役は戦前戦中の日本(の光の部分)がモデルとなっています(地理は完全にファンタジー世界ですが)。作品中の2国家はいずれも「帝政」を敷いていることになっていますが、帝政というもの自体もノルタルジーの対象でしょう。
『傑作』だというのは、上記の要素はそれぞれいかにもベタなものであるにも関わらず、完璧なまでに洗練されたストーリー・プロット・言葉で表現されているため全く飽きさせないということです。主人公とヒロインが互いに思いを寄せ合うようになる過程は過不足なく描かれており、ほぼ全ての読者は納得できるようになっています。また、主人公の人格は極めて温厚誠実に出来ており感情移入は容易でしょう。空戦の記述は空のことなど何も知らない読者が読んでも情景をはっきりと想像できるように、主人公の思考の軌跡と共に丁寧に書かれています。多勢の敵に挑む主人公とヒロインという図式はともすれば敵役を悪役に貶めがちですが、敵国は日本がモデルであることと筆者の中立的な筆致があいまって敵であっても悪ではないように感じられる仕掛けとなっています。
ライトノベルはシリーズものだと何巻もあって手を出しにくいことが多いですが、本作品は1冊で完全に始めから終わりまできれいにまとまっているためその点そこまで負担にならずに読めます。タイトルからして主人公に死亡フラグがビンビンに立っていますが、結末が気になる方は是非本書を読んでみてください。快い読後感が残る作品です。
温かな、涙が・・・
(2008-11-07)
女性にこそ読んで欲しい!というPOPがつけられていて、本屋さんで衝動買い。
買ってよかったです。
ファナが、だんだんと素の自分を取り戻していく過程と、シャルルに対する想いの
変化の過程がきゅーんときちゃいます。
特にラストあたりでは温かな涙が自然とこぼれます。
名作、それ以外の何物でもないと思います・・・!
読み切りとしては良作です
(2008-10-29)
最下層の身分しかもたない敵国人との混血児パイロットが、未来の皇妃を後ろに乗せて、敵の包囲陣を飛行機でつっきり国へ送り届ける話。
手に汗握るドッグファイトやお姫様とのロマンスなど、読み手を飽きさせない展開に満ちた一冊です。
なんとなく釈然としないラストも妙に心に残り、キレイに閉められています。
ただ、主人公の「混血」という設定が身分という以外あんまり生かされていなかったり、キャラたちが妙に達観していて、若いんだからもう少し無茶してもいいんじゃね? とか思うこともあり、もう一味ほしかったような気も。
読んでいて、残りページが少なくなってくると、ラストがなんとなく想像できてしまうのもちょっと残念でした。全部をひっくり返すような展開を期待していたのですが…。
ラストとエピローグの間のエピソードは読み手に丸投げします的なことが書いてありましたが、物語はほぼ完全に終わっていて想像の余地はほとんどありません。
そんな状態で投げられてもー; という感じです。
しかしながら、読みきり作品としては非常に秀逸なのは間違いありません。
シリーズものを読むのがメンドイという方はぜひに。
この先生「余裕綽々」って表現好きですねw
(2008-10-05)
話の序盤でヒロインのチートじみた美しさとやらを延々垂れ流された時は
正直「地雷踏んだか?」と思った物ですがいやいやどうしてどうして・・・
「心地良い切なさ」
読み終えた後、そんな余韻に浸れる良い作品です
脳内で再現される海・空・雲の美しいこと
夏の間に読めたら良かったかもなー
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