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新潮社
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カスタマーレビュー ![]()
官僚機構のみならず
(2008-09-29)
既に書評百出しているので多言を要しないが、社会に対して組み合っていく上で必要な心意気について感じ入ることのできる小説。官僚機構という一種特殊な世界を舞台とし、時代背景も現在とは異なるとはいえ、主人公はじめ登場人物の各々が示す行動原理は、どれも社会人が標榜すべき態度の一つたり得るものと思う。
本作に描かれる心意気は決して時代遅れだとは思わないし(前記のとおり既に「古き良き」ではあるが…)、事実はともかくとして政治・行政が批判しか受けていない昨今にあっても、行政を志す若い人が読んで損はないはず。
高度経済成長時の、官僚達の姿を鮮やかに描く
(2008-08-20)
戦後の高度経済成長を支えた、通産官僚達の生き様を描いた一冊。
通産省に新たな風を吹き込まんと、次官への出世街道を突き進む、高級官僚風越信吾が主人公。自らの構想を実現させるため、己の官僚生命を懸け奔走する。
現代において、本書で描かれた様な「官僚主導型の政治システム」が疲弊しているのは事実である。しかし、当時、崇高な気概を胸に国家のために働いた彼らの存在を、我々は忘れるべきではない。
経済(官僚)小説、そして組織(化された現代社会)に生きる人間ドラマ
(2008-06-02)
通産省(当時)の実在の人間・事象をモデルにした経済(官僚)小説で
あるが、同時に、組織に生きる人間ドラマ/組織化された現代社会
における生き様を考えさせる一冊、でもあると思う。
この本を最初に読んだのは、大学生になる前。
国家公務員を目指すにあたっての、1つのロールモデルと捉えながら
読んだ記憶がある。
「夢」「野望」「挫折」「戦略」「生き様」・・・、”国家公務員”
を職に得て、”一人の人間として”生きていくこととは何か、自分
なりに早く経験してみたい(=大学生活の4年間さえも惜しい=)、
という感想を得つつ、何度も読み返した。
それからXX年、国家公務員とは異なるものの、自らの方向性にマッチ
した企業体に職を得、様々な経験をしてきたなか、
これから、企業内でも/社会的な位置づけとしても、中堅および
その後を展望しようというときに、
書店に積まれていた山をみて、改めて手にとって見た。
・・・
そこに繰り広げられていたのは、やはり人間ドラマであった。
一人ひとりが、”自分はどう生きるべきか”を自問自答しながら、
社会および人生をを構想し/政界・省内外・業界等の人々へ働きかけ/
時には結果を得(時には失い)・・・、
そういった積み重ね/繰り返しによって、地位を得、また人生を築いて
いく。
積み重ねにより花を咲かせること、花が咲かなくともじっと耐えること、
どんな花を咲かせたいか/咲かせるにはどんな花が似合うのか。
花が咲くにはどんな栄養が必要なのか/どんなタイミングをどうやって
待つのか・得るのか・・・。
時代背景による差異を咀嚼しつつも、現在の世にも十分通用する
エッセンスを含み/蓄えた一冊と感じる。
でっていう
(2007-11-17)
官僚たちの冬の時代に読むと「でっていう」という感想しか思い浮かばない。ノートリアス・ミティ(悪名高き通産省)だとかアメ産で評判だったらしいが、もうそんな時代はおしまいだ。今から官僚になろうという人間は相当のマゾとしか思えない。
つかつか通産官僚だかなんだかしらんが、天下国家だの業界を指導だのアホかと。官僚が力持ってるなんてどこぞの後進国じゃい。東大法クラスが官僚行くなんて間違ってると思われ。
今でも決して色褪せてない通産官僚小説
(2007-09-24)
本作品は昭和50年刊行だそうですが、今読んでも決して色褪せておらず、サラリーマンにとっては感じ入る場面が多く自分の仕事人生について色々考えさせられた通産官僚小説でした。
国会を窓枠の視野に入れながら仕事するものの、法案を作成する官僚を身近に感じたことはなかったのですが、先日外務省を訪れた際に初めて日本の官庁街を歩き、その一種異様な雰囲気・威圧感に圧倒されました。
それらが天下国家の為に働く官僚が生み出すものか分かりませんが、本書では通産省というその一組織にあって天下国家を考え、ある者は激務で病気に、ある者は殉職し、ある者は海外に飛ばされ、ある者は気概を持って海外に赴任し、ある者は本流から飛ばされ、ある者は本流に舞い戻り、そしてある者は政治家や他組織の官僚とやりあう姿が描かれています。
主人公の風越を中心に、彼が目をかける人材、彼の目に叶わない人材達がそれぞれの価値観の中で働く(闘う)わけですが、刊行から30年以上過ぎた今でも、組織の中で働く男のそれぞれの生き方、大臣と事務次官の対立、大臣・政府と事務方(官僚)の関係の描かれ方のどれもが全く色褪せていなく逆に新鮮に感じられました。
そして、彼らの個々の生き様を見、感じるにつけ、サラリーマンとしての自分の生き様が今のままで良いのかと自問自答するきっかけとなりました。自分を振り返るきっかけを与えてくれた城山さんに感謝しつつ、ご冥福をお祈りしたいと思います。
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