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文藝春秋
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カスタマーレビュー ![]()
気力、運、敵失、全てが日本に味方した
(2008-12-28)
黄海海戦、遼陽会戦では敵失もあり、勝つことが出来た。その一方で旅順は膠着する。
作者がうまいのは、陸戦、海戦だけでなく、外交、スパイ、日英同盟、戦費調達など、日露戦争を巡る全ての要素を同時に進行させていることだ。
実力で劣る日本がいかにして勝てたか。勿論明治人の冷静な計算、士気が勝っていたことも確かだが、運や敵失にも助けられている。本当に薄氷を踏むような戦いだ。
乃木 希典の評価
(2008-10-28)
日露戦争において英雄か凡将か評価が両極端に分かれる乃木希典。
司馬先生は凡将の立場で旅順攻略戦を描いており、
乃木の評価に対する議論を紛糾させる契機になったといわれてます。
とにかくこの本では正面から突撃あるのみです。
大将の心理を含め、日露戦争を丹念に描いています。
ロシアのクロパトキンもそうですが、
個人の感性や性格に戦局が大きく左右されていく姿に興味が惹かれました。
日露戦争に勝ったことで日本が残った。
(2008-01-12)
○読み始めたきっかけ
司馬遼太郎の歴史モノが好きで、その中でも経営者を中心に愛読者の多い、
「坂の上の雲」を読んでみました。
○心に残る言葉
日本の砲弾は、敵艦船の装甲を打ち破るのではなく、甲板で炸裂し火災を起こさ
せ砲台を無力化することを目的としている。兵力の少ない日本海軍にとって、最も
効率的に戦闘する手段の一つ。
日露戦争当時では、一軍の統率は司令官がその人格力をもってやる、作戦の方は
参謀長が受け持つ。基本的にすべて参謀長に任せる。二者択一を迫られた時か、戦
況が紛糾した時のみ司令官が決を下す。
p.184 農業社会=有能無能の価値基準はなく、自然の摂理に従って、きまじめさと
精励さ嵩が美徳。
狩猟社会=それぞれの能力によって部署に配置され、全体の一目標のために機能
する。その中では指揮者が必要。この社会では人間の有能無能が問われる。世界史
的にみて、狩猟民族は軍隊を作ることに熟達している。
p.256 敵よりも大いなる兵力をもって敵を圧倒撃滅するというのは、常勝将軍と
いわれるものが確立し実行してきた鉄則。
日露戦争に勝ったことにより、日本がロシアの植民地にならずにすんだ。しかし、
その成功体験が太平戦争での軍部の過信を生んだ。
○どんな人に読んでもらいたいか。
過去の日本人の行動や歴史を知ることで、将来の日本の問題について考えるきっか
けとなる。できるだけ、多くの日本人に読んでもらいたい。
ちょっとした記述が妙に面白い。
(2007-11-02)
良さについては沢山のレビュアー様がおっしゃっている通り。
個人的には北進軍の中の黒木部隊の記述「まるで別の人種の部隊に率いられていたかのような強さ」というところで思わず吹き出しました。
司馬遼太郎、時々面白い表現しますよね。。
リーダーの資質が組織の運命を決める
(2007-01-10)
第4巻は遼陽の会戦から旅順攻防まで。
リーダーの資質が、特に戦争といういわば極めて緊迫した状態において、いかに重要かということを思い知らされます。
旅順攻略軍における乃木・伊地知コンビ、バルチック艦隊におけるロシア司令長官について、著者は「無能」を連発し酷評しています。当然、ここでいう「無能」とは、全人格を否定する意味での無能ではなく、あくまでもそのとき置かれた状況下において能力を発揮できなかった(もしくは持っている能力が状況に適応できなかった)という意味でしょう。ただ、リーダーたるもの、ある面で優れているだけでは(例えば乃木がもつ会う人を魅了してやまない包容力など)務まらないどころか、組織全体に対して悪影響を及ぼすという事例ともいえ、企業経営などに置き換えると考えさせられるものがあります。
なお、乃木・伊地知が攻撃の失敗から反省することなく、無謀な攻撃をただ繰り返すさまは、日本陸軍がもともともつDNAなのか、後の太平洋戦争を暗示しているようで、名著「失敗の本質」が思い出されてしまいました。
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