ジェームズ・スペイダー(James Spader)関連グッズ特集【ClubJ.S】

アイテム詳細

青木 新門

文藝春秋

グループ:Book

ランキング:1749

価格:¥ 490

発売日:1996-07

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カスタマーレビュー

死生観を問う書  (2008-12-22)
この書は 新しい世界に私たちを導いてくれる。
「湯灌。納棺」を専門とする仕事があるということ。
著者がこの仕事についたことは偶然であること。

著者は旧満州に4歳の時にわたり、現地で生まれた弟と妹が次々と死んでいくという体験を、引揚げを待つ難民収容所でしていること。
著者は60年安保闘争を体験していること。

「納棺」という仕事を得た後、周囲から罵倒され続けるも、偶然にも元恋人の家族の遺体を湯灌・納棺することになり、元恋人が涙をため、じっと著者の仕事を見つづけ汗まで拭いてくれたという。
「私の全存在がありのまま認められたように思えた。そう、思うとうれしくなった。この仕事をこのまま続けていけそうな気がした。」(29頁)と率直に語っている。以後、著者は変わっていく。

「納棺夫日記」全三章のなかで、著者の体験と、著者の思考の跡が素直にかつアットランダムに述べられている。いつのまにか、私たちは、死生観に関して、過去から現在、そして世界中の人の考えを知るようになる。
仏教徒およびその他の宗教の教祖たちの死生観とへこ理屈を丁寧に紹介。
「あらゆる宗教の教祖に共通することは、その生涯のある時点において、〈ひかり〉との出会いがあることである。」(96頁)
親鸞に共鳴する著者。〈ひかり〉を前面に出している。これは著者自身が体験したからであろう。
多くの人たちが登場する。ここがこの書の最高に面白いところ。
多くの詩人、作家が登場する。「詩人」の位置づけがきわめてユニーク。民俗学者も末期ガンを体験した者も著者により紹介される。
宮沢賢治の妹との訣別の歌、「永訣の朝」が登場。「みぞれ」をとりに行かせた妹の気持ちを宮澤賢治と同様に感じとる著者。
三島由紀夫と深沢七郎の死生観のちがい。「星の王子さま」のサン=テグジュペリまで登場。すごい、展開が何げなく語られている。
現代医学に対しての評価は厳しい。「今日の医療機関は、死について考える余地さえ与えない」(64頁)以下の一節だけで十分である。
今回の増補改訂版では、「著者注釈」・「『納棺夫日記』を著して」・「あとがき」・「文庫版のためのあとがき」が付け加えられている。
序文は著者を発見した吉村昭が「美しい姿」を書いている。
高史明が謙虚きわまる内容の解説「光の溢れる書『納棺夫日記』に覚える喜び」を書いている。最近の高史明の心境をしるには貴重な資料と言わねばならない。
どこからでも、読むことができる不思議な書物になった。あるいは、死生観についての壮大なる紹介とまとめになっている。
最後は、勿論、「納棺夫」という独自な「職業」を生きた者として、空理空論ではなく、自身の結論を語っている。
いつのまにか、死生観を問わなくなった私たち。
納得できず悶々としてきた方々が読まれることを祈ります。

日記部分はそう多くありません  (2008-11-01)
日記という表題がついておりますと、全編が納棺夫としての日記(エピソード)だと思いますよね。 
そう思って読み始めたとしたら、少々がっかりすると思います。
前半の三分の一はたしかにそうなのですが、それ以外の部分は著者の思索の変遷を辿った、仏教に近いところにある思想書です。

怖いもの見たさで読むんだったら立ち読みで十分。
やむを得ない事情で卒塔婆小町の域に入ってしまった死者たちとの触れあいが書かれています。
著者の青木さんも、これらのすさまじい体験から生と死を見つめざるを得なくなり、思索の道に入っていきました。
そもそも、納棺夫の職に就く前は青木さんは(売れない)詩人/小説家だったのです。
ですから、この納棺夫日記は文章も洗練されていて、訥々とした無骨なところはありませんでした。

宮沢賢治も多く引用されていました。
彼は浄土真宗の素地に法華宗の影響を受けた人物ですが、青木さんは宮沢賢治の詩を引用すると同時に、彼の評論もしています。

親鸞聖人についてもさかんに取り上げています。
納棺夫日記の根幹思想と思いましたが、わたくしは仏教の素養がなくて、あるいは脳足りんのせいでまとめることができませんでした。
著者の青木さんは詩人ですから、詩人の素質がある宗教家、思索家には強く魂を揺さぶられるようです。

「死」と向き合う仕事 映画「おくりびと」を観てから読みました  (2008-09-23)
筆者の青木新門さんは、新聞の求人広告をみて、冠婚葬祭会社に就職され、現在は専務取締役をへて監査役を務めている方です。(文庫本の紹介より)

ご本人が書かれている「納棺夫」とは、亡くなられた方に最後のお別れの化粧を施し、永遠の旅立ちに対して、それへの衣装を着せ、故人を偲ぶために一番美しい状態へと蘇らせ、そのご遺体を棺に納めるという職業です。

第1章の「みぞれの季節」は、まさしく映画にも登場したエピソードの数々が収められています。「穢らわしい」と妻に叫ばれた挿話はこの仕事の厳しさでもありました。
筆者は元々詩人であり、若いころ文学を志しただけあって実に流麗な文章が綴られています。また、宮沢賢治の人生観やその詩にも共感しており、よく引用しています。
第2章の「人の死いろいろ」では、筆者が体験した「死者」の姿やそこでの思いが切々と綴られています。

個人的に素晴らしいと思ったのは、第3章の「ひかりといのち」でした。そこには筆者の宗教観が明確に記されています。特に浄土真宗の開祖の親鸞上人の教えと「教行信証」や「大無量寿教」の記載について詳しく解説がなされています。「歎異抄」の教えも含めて難解と思われる教義をできるだけ分かりやすい言葉で綴られているのは、この仕事を通して導かれた境地なのでしょう。
なお宗教用語に関しては、11ページに渡って筆者の注釈が掲載されています。
其の後に続けて掲載されている『納棺夫日記』を著して、も筆者の人柄を感じさせる話が沢山収録されてあり、人として立派な方だというのも理解しました。

元ネタ  (2008-09-04)
モントリオール映画祭グランプリを受賞した映画おくりびと
の元ネタになったと言われています。

黒色の(単行)本  (2006-08-21)
富山県で葬儀社にお勤めになった青木氏の1993年3月初版第1刷をよみました。死を穢らわしいものとしかおもえないのに、仕事でやっている方たちを
超越した、さわやかで詩的なすばらしい作品です.
宮沢賢治がよくでてくるのは著者が心酔しているからです。
序文は近頃亡くなられた吉村昭が「美しい姿」の題のもとに賛辞をよせている。青木氏がいまどうしていらっしゃるのか好奇の念にかられることしきり。

文庫本ではなくて単行本を読んでの感想です。

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