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カスタマーレビュー ![]()
「潜在意識成功哲学」のアンチテーゼ。或いは「アルタルナティフ」。
(2007-10-14)
マーフィーを始めとする「潜在意識で成功する」の
エピゴーネン・「亜流」と言うよりも、殆ど「訳判らず」の
トンデモ本が、雨後の筍の如く出版されて久しい。
「格差社会」的な状況の中で、「新興宗教」紛いの様相を
呈する昨今である。
さて、何度か他の本のレヴューの中で触れて来た
ナサニエル・ブランデンのセルフ・エスティームの
「総まとめ」的なポジションに位置するのが本書である。
ブランデン自身も「自分の此れまでの仕事の纏め」と
既に、和訳の在る本の中で述べて居る。
ポイントは、「意識的に生きると言う事」。
即ち、「無意識的に生きて来た生き方」と言うのは
其の人間にとって「一つの惰性」に過ぎない。
昔、『現代思想』誌別冊の『禅特集』号の中で
岸田秀氏が、何人かの仏教学者と対談して居たが、
「要するに『無意識』って事は、頭が悪いだけで
全部『意識』してしまえば良いんですよ。」との
発言があった。「意識」の力で成功しようと思っている人には
「潜在意識で成功」よりも、此方の「考え方」の方が
フィットするだろう。
特に、「何でもかんでも『潜在意識・無意識』だったら
考えなくて楽だろうし、面倒臭くも無いだろうが、
唯、単に『馬鹿に為れ』って事じゃ無いのか...。」と
思う人も、少なからず居るかもしれないが、そう言うタイプの
「潜在意識様万々歳」の現状に対して、
違和感を抱いている人向けである。
考え方としては、初期のNLPに通じる部分がある。
sub-self 「副次的自己」と言う考え方である。
NLPで、複数部分が集まって、一人の人間の
「自己」が出来て居ると言う考え方と同様、
「副次的自己」・「下位自己」が自分の中に
複数存在して、それら全ての「部分」に気づき
受容すると言う「セルフ・コミュニケイション技法」を
提示している。
具体的なエクササイズは、巻末に纏めて載って居るし、
必要なものは、ノートとボールペンだけである。人に
拠っては、英語の辞書も。
毎日20分か30分早起きをしてエクササイズをして、
週末には、ウィークデイのエクササイズの
纏めと言う形式に為って居る。
最後に本書にある「日本人的」なエピソードを挙げておく。
アメリカに渡って、道場を開いている合気道マスターの
日本人が、ブランデンにカウンセリングを受けて
その中で述べて居たのが以下の様な事。
「日本では、何でも自分の属する集団の
価値基準に従わなければ為らなかった。
個人で、自分の生き方の基準を決定すると言う事が
物凄く困難だったし、アメリカに来てからも
個人の基準と言うものを、自分で見つけ出すのに
大変な苦労をした。」
IMO...in my opinion...
私の個人的見解に為るが、若干「古臭さ」を感じさせる
エピソードだと思う。多分、70年代後半か、80年代前半くらいか。
1960年代生まれ以降の日本人は、もっと、
個人主義的だし、「個人の『自由意思』と『自己責任』
は表裏一体なので、自分の生き方について、他人には
一切、口出し等させない」と言う感覚を持つ者は
現在では、もっとずっと多いだろうと感じて居る。
逆に言うと、集団主義的なタイプの日本人ほど、「潜在意識万々歳」へ
走って仕舞うのかも知れない。
日本人が、フロイトよりもユング好きだと言う事も連想させる。
「我々は『集合無意識』だ。
貴様を同化する。抵抗は無意味だ。」
そんな感じだ。
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